アメリカのジョージア州アトランタにある マイクロダイナミクス社のマイクロスコープMD-3DQCは、白色干渉計を用いて、非接触でアニロックスロールのセルボリュームや、表面粗さを精密に測定することが出来る測定器です。
アニロックスロールの管理が必要な理由と管理実行の際のメリット
アニロックスロールはセラミック製のアニロックスロールになり、摩耗という問題は小さくなりましたが、それでもは無視できません。
また、セル内にインク成分の残留が蓄積するとセルボリュームが減少していきます。
アニロックスロールの状態を定期的に把握することで、偏摩耗がないか、異常摩耗が起きていないかなどアニロックスロールの状態を常に把握することが出来ます。
摩耗がないにもかかわらずセルボリュームが減っている場合は、セルへのインクの残留や蓄積があります。つまり洗浄工程が正しく行われているか否かを確認することが出来ます。
正確なセルボリュームを把握することで、セットアップの時間短縮や、テスト刷りから正確なカラーバランスを設定でき、印刷機の停止時間の短縮につながります。
また、印刷の信頼性、再現性向上など最も重要である印刷品質に大きく寄与します。
3DQCを用いて、お客様がお使いのアニロックスロールを科学的に管理する事で、印刷品質の向上だけでなく仕掛かりの大幅な時間短縮が可能になります。


3DQCはこの原理によって、アニロックスのセルボリュームや、表面形状、粗さの精密な三次元計測器として開発されたものです。深さ方向で10nm(ナノメートル)、水平方向では使用レンズによって変わりますが0.13~2.21μmという分解能で計測することが出来、その測定精度は±0.5%以下と、非常に優れております。
<モデル3DQC Classic>
簡単に持ち運べるサイズなので、現場での測定がすぐに行えます。
セルボリュームの測定が±0.5%と高精度
非接触式で測定物に傷を付けません。また柔らかい物やデリケートな物も測定することが出来ます。
線粗さの測定器と違い、平面全体を測定して面粗さの測定が可能です。また一点しかない異物や傷なども画面で目視しながらピンポイントに形状を測定することが出来ます。
アニロックスロールのセル測定以外にもグラビアシリンダー、フレキソ版、アイドルローラーの表面粗さ、フィルムや紙などの機材の表面性状なども確認することが出来るなど、さまざまな場面で活躍します。
【作動原理】
白色光源から出た光をスプリッターという機構で2分割し、別々の光路を通ったあと再び重ね合わせて観察対象物に焦点を合わせると、光路の差によって干渉縞が現れます。この干渉縞を解析することで、表面形状や粗さを三次元で計測することが出来るものです。

3DQCはこの原理によって、アニロックスのセルボリュームや、表面形状、粗さの精密な三次元計測器として開発されたものです。深さ方向で10nm(ナノメートル)、水平方向では使用レンズによって変わりますが0.13~2.21μmという分解能で計測することが出来、その測定精度は±0.5%以下と、非常に優れております。
<モデル3DQC Classic>
マイクロダイナミックス社の3DQC Classicアニロックスロールマイクロスコープは、究極の非接触測定技術である白色光干渉法を採用し、最高の精度を実現しています。スピードと使いやすさ、1%以内の測定再現性により、3DQC Classicは他のどのアニロックスロールマイクロスコープにもほとんど負けません。この頑丈でポータブルな品質管理ツールは、広くアニロックスOEMに信頼されています。

仕様
基本仕様 | 非接触式 白色光干渉分析法 |
---|---|
スキャナ | クローズドループ リニアサーボ |
検査範囲 | 86×64μm~1411x1058μm |
外径寸法 | H216×W203×D89mm |
重量 | 4.33kg |
電源 | 100/240V AC, 50/60Hz |
アクセサリー | |
対物レンズ | 干渉計対物レンズ 4x,10x, 20x |
校正 | 長さ校正基準スケール、深さ基準球 |
性能 | |
垂直スキャンレンジ | ≦500μm |
垂直方向分解能 | 10nm |
横方向分解能 | 0.13~2.21μm |
スキャン速度 | ≦20μm/swc |
最大所得データ | 307200 |
ステップ高さ | 精度:≦ +/-0.5% |
検査項目 | セル深さ、セルボリューム、スクリーン線数 セル角度、セル壁幅、ドット面積 表面粗さ:Sa,Sq,Ra,Rt,RzJis,Rq |
表示 | 2Dおよび3Dグラフィック、リアルタイム表示 表示形式データ表示、手動計測ツール 手動指定部分の自動計測、イメージキャプチャー 複数の補助画像 |
検査対象 | |
材質 | 透明、不透明、塗工されたもの、されていないもの 鏡面仕上げされたもの、されていないもの (非常に反射率が高い場合は難しい場合があります。) |
用途 | アニロックスセル、グラビア彫刻、精密計測や状態検査 フレキソやリトグラフ刷版の検査 表面の面粗さ計測(柔らかいものや脆い材質を含むあらゆる物体の表面) |
動作環境条件 | |
温度 | 15℃~30℃ |
振動許容値 | 1Hz~120Hz |
測定には専用ソフトを使用して画面の表示とデータの管理を行います。


左の画面では、光学イメージによるセル表面の確認や、セル深さ、セルボリューム、スクリーン線数、セル角度、隔壁厚さなどの数値がスキャン後に自動で表示されます。 右の3D表示モードでは、形状の高さをカラーグラデーションによって表示し、またマウスの操作により自由に方向を変えて見ることが出来ます。 例えば、青紫で示された部分が壁面のピーク部分の形状を表しています。逆に赤紫は一番低い個所を示し、アニロックスロールの場合では、セルの底となります。 これによって、より視覚的な形でセル内部への残留物、セル形状の不具合、セル壁の摩耗状況など、セルの状態を観察するために役立ちます。

一本のアニロックスローラーのデータをソフト上で時系列で管理することが出来る為、新規購入時から現在にいたるまでの摩耗状況やセルの詰まり具合を確認でき、再研磨や特殊洗浄のタイミングを予測するなど、科学的な管理を行うことが出来ます。

また、光学イメージを見ながら任意の部分の二次元断面グラフの表示と、その部分のRa,Rtなどの表面線粗さも自動で計測することが可能ですので、アニロックスのセル測定以外にも、アニロックスロールの表面粗さの確認や製品の局所的な不具合の形状・深さ・大きさなどを確認することが可能です。
その他に出力用レポートの作成や、データベース化、データ同士の比較機能などが実施できます。
<モデル3DQC Classic>
Veritasはマイクロダイナミクス社の最新のアニロックスマイクロスコープです。
3DQC Classicの テクノロジーに基づいて設計されており、使いやすく効率的な品質管理が実施できます。


【特徴】
白色光干渉計は、あらゆる深さのセルに対応します。
頑丈な圧力成形ハウジングは、人間工学に基づいた一体型ハンドルを備えており、拡張加工されたアルミ製ベースプレートは光学系ユニットを保護します。
内部光学系システムは、生産環境における防塵性を高めるよう設計されています。
装置背面のステータスLEDは、装置がスキャン可能な状態であることを示し、ロック式USBおよび電源コネクタは、超高速USB 3.0で安全かつ信頼性の高いデータ転送を提供します。
【仕様】
- 重量:2.9kg
- 寸法:250mm × 115mm × 153mm
- 電源:AC100V、AC240V、50~60Hz、6W
- 検査パラメータ
パラメーター | 10倍干渉計 | 20倍干渉計 |
---|---|---|
開口数 | 0.3 | 0.4 |
作動距離(mm) | 7.4 | 4.7 |
水平解像度(低倍率、ミクロン) | 0.92 | 0.46 |
水平解像度(高倍率、ミクロン) | 0.46 | 0.23 |
垂直解像度(ミクロン) | 0.01 | 0.01 |
1倍視野(mm) | 0.59×0.44 | 0.29×0.22 |
2倍視野(mm) | 0.29×0.22 | 0.15×0.11 |
広視野モードでの視野(mm) | 1.18×0.88 | 0.58×0.44 |
画面カウント範囲(lpi)(lpcm) | 60-1000(25-400) | 120-2000(50-800) |